大和守安定

時 代 江戸時代前期 明暦頃
形 状 刀:鎬造、庵棟
長 さ 61.0cm / 二尺二分
反 り 0.8cm / 二分七厘
元 幅 2.9cm / 九分六厘
元 重 0.7cm / 二分三厘
目釘孔 一ツ
鑑 定 特別保存刀剣
附 属 白鞘 / 金着一重ハバキ
価 格 案内終了

刀 : 大和守安定

造込 鎬造、庵棟、刀寸としては短く、浅く反り、身幅尋常、中鋒
  地 板目肌 指表腰元は流れごころ、総じて地景かかる
  刃 小湾れに 互の目を所々にまじえ足入り、指表物打の刃中に淡い
    匂い口太く、金筋入り、よく沸付く
帽子 表裏共小丸

■ 江戸開闢以来 着々と整備を進める江戸は、将軍麾下 武家の流入も強まります。 そこには刀剣の需要も増え、虎徹をはじめ、和泉守兼重、上総守 兼重、法城寺正弘、近江守継平 など著名な刀匠が現れ、いわゆる寛文新刀の隆盛を迎えます。 その御刀は 総じて反り浅く、元と先の身幅に差が付いた 武張った姿を持ち、江戸の侍の好みを伺うことが出来ます。

■ 大和守安定は、その寛文新刀を代表する刀匠です。 特に斬れ味に優れ、山野加右衛門永久の試刀により 「天下開闢 以来五ツ胴落」 と記されたものもあり、まさに 「武用に可立候也」 として人気を博しました。
また幕末の剣客 沖田総司 や 伊庭八郎 も安定の御刀を愛用、彼らの働きと共にその実力を存分に知らしめています。

■ 特別保存刀剣に認定された 大和守安定 二尺/61cm の刀です。
やはり反り浅く 身幅差の付いた姿。 二尺の長さは 脇指には長く、刀には短く、中途半端に見えますが、大小の脇指として用いた時、もし緩急ある時に たとえ刀を損傷しても、この脇指が充分に刀の代わりを務めます。 地は小板目肌つみ、地沸の付いた強い鉄(カネ)。 刃文は小湾れ(このたれ)に互の目をまじえ、細かな沸が厚く付き、匂い口明るく冴え、指表の刃中には 金筋状の働きも見せています。
強い鉄に 匂い口明るく冴えた刃縁。 いずれも優品の証であり、加えて傷無く、生の姿であれば、特別保存刀剣の評価はさもありなん。
大和守安定 優刀です。

                             干将庵 / 2012年6月12日

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