肥前国陸奥守忠吉

時 代 江戸時代 : 延宝頃 (1675年前後)
形 状 鎬造 脇指
長 さ 48.9cm / 一尺六寸一分
反 り 1.2cm / 三分九厘
元 幅 2.95cm / 九分七厘
元 重 0.6cm / 一分九厘
鑑 定 特別保存刀剣
所 載 新刀大鑑 巻之一 / 巻之二
附 属 白鞘 / 金着二重ハバキ
価 格 案内終了

肥前国陸奥守忠吉 (三代)

造込 鎬造、庵棟、反り深く付き、身幅元先さまで変わらず、中鋒
   小板目細かに約(つ)み、ハバキ元に地景顕る
   一寸程焼だし、大房の互の目、丁子をまじえ、砂流し、
     金筋入り 匂い足深く、小沸付き 匂い口明るい
帽子 直ぐで丸
彫物 表 二筋樋、裏 棒樋 共に掻流し
   生ぶ、鑢目切り、栗尻、孔一つ  

■ 「(歴代)忠吉の作品中 価値の高いものは、初代忠吉についで
 “ 陸奥守忠吉 ” といわれる。 この脇指はその傑出の一口である。」
                             [新刀大鑑より抜粋]

冒頭の一文が示す、三代忠吉 陸奥守忠吉 傑出の脇指です。
伸びやかで 堂々とした姿。 見事に綺麗に細かく約んだ地鉄。
金筋や砂流しを自在にまじえ、明るく輝く小沸が たっぷりと付いた乱刃。 表裏共に美しい弧を描く帽子。 飽くことなく 時を忘れて、いつまででも目が惹き付けられます。
加えてしっかりと立った刃区、うっすらと残る生ぶ刃など、健全な刀身は 本刀の来歴の良さを想像させます。 ちなみに登録は昭和26年、登録番号は3桁と、これだけでも出自の良さを知ることが出来るでしょう。

■ 陸奥守忠吉は、佐賀藩鍋島家の御刀鍛冶 三代を継承するも、50歳で没しており、自身銘の作品は余り多くはありません。
その三代忠吉の 高い位を示す一振り。 所有する幸福感を得ることの出来る 数少ない逸品です。

                            干将庵 / 2013年11月12日

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