備前長舩住横山祐廣 / 慶應元年八月日 友成五十九代孫

時 代 江戸時代最末期 慶應元年(1865)
形 状 鎬造 庵棟
長 さ 70.9cm / 二尺三寸四分
反 り 1.8cm / 六分
元 幅 3.1cm / 一寸二厘
先 幅 1.9cm / 六分三厘
附 属 金着一重ハバキ / 白鞘 / 古白鞘
鑑 定 特別貴重刀剣 / 昭和45年11月7日認定
登 録 昭和26年3月31日 / 東京都
価 格 ¥970,000.-

形状 鎬造 庵棟、寸延びて先反り、元と先の身幅に差あり、中鋒
 鍛 小板目 無地風に約(つ)む
 刃 焼出し長く、拳形や重花風の丁子、足長く、葉入り、
   匂いがちに匂い口締まる
帽子 直ぐで入り、大丸に深く返る
 彫 薙刀樋に添樋
 茎 生ぶ、刃上がり栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔一ツ

■ 千年の作刀史を伝える備前刀 その掉尾を飾る祐廣の刀です。
伸びやかで元先の身幅差と平肉の薄い姿。 無地風の中に微細に肌立った鍛。そして備前刀の証 華やかな重花丁子刃文が見所です。 さらに長寸の生ぶ茎は銀光を放っており、掌に鏨枕を感じます。

■ 祐廣は名工祐包の子、或いは弟子と伝え、明治5年編纂 長船打剱類元帳 にもその名前が見えます。また東京国立博物館にも作品が収蔵されており、加えて本刀は昭和26年登録、いわゆる大名登録となっています。

■ ハバキ元の生ぶ刃、凛と立った松葉角を見ても、本刀の健全さがお分かりになる事でしょう。 古研のため、地に浅い引け傷や変色が見られますが、この状態で充分に鑑賞することが出来ます。
備前刀の歴史を締めくくる横山祐廣御刀。 新々刀の気風と、備前刀の歴史を感じる優品です。

                  干将庵 / 2016年1月15日

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