時 代 | 現代:昭和六十一年秋 |
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形 状 | 脇指:平造、三ツ棟 |
長 さ | 36.0cm / 一尺一寸八分八厘 |
反 り | 0.4cm / 一分三厘 |
元 幅 | 3.2cm / 一寸五厘 |
元 重 | 0.6cm / 一分九厘 |
目釘孔 | 一ツ |
附 属 | 白鞘 / 銀一重ハバキ |
価 格 | 案内終了 |
小脇指 : (枝桜紋)立子山住人 将平作
造込 平造、三ツ棟、寸延び、身幅広く、浅く反りつく
地 板目肌強く、地景かかり、地沸つく
刃 大房の丁子主体に互の目をまじえ、盛んに飛び焼きかかり
皆焼調になり、葉、金筋入り、小沸厚くつく
帽子 指表は乱れ込んで尖りごころ、指裏は地蔵風にかえる
彫物 棒樋
平成二年 (財)日本美術刀剣保存協会 新作刀展に於いて、藤安将平刀匠は 皆焼(ひたつら)刃文の小脇指を出品され、特賞【会長賞】 を受賞されます。
当時 この皆焼の小脇指のは、刀剣関係者の間で、大変な関心を呼び起こしました。
いわゆる “古刀に見紛う” もの、つまり南北朝期 広光 秋広 に類する皆焼刃文の小脇指であると。
小脇指 枝桜紋 将平作 は、受賞作品から遡ること4年、昭和61年に製作された いわばプロトタイプとも呼べる作品です。
身幅広く 寸延び 反りの付いた 典型的な南北朝延文貞治の姿。 板目肌強く 地景かかり 細かな地沸の付いた地。
刃文は 大房の丁子を主体に、重花丁子や互の目をまじえ、盛んに飛び焼きかかり皆焼調、元より物打に至り焼き幅広く、
葉、金筋入り、匂い深く小沸つく。
文字に記せば、広光そのもの也。
本作品と特賞受賞作品を比較すると、全体のまとまりとして 特賞受賞作品に分がありますが、内から沸き立つ底力、
まさに刃文を突き破らんばかりに 発露しようとする生命力は、本刀が大きく勝ります。
観る者の内に 御刀の生命力が移り、胸の奥底より精気沸き立つような この感覚は、
まさに古名刀を観た時の如く。 昭和名刀也。
干将庵 / 2011年10月8日
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