時 代 | 現代:昭和五十八年秋 |
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形 状 | 脇指:平造、三ツ棟 |
長 さ | 39.2cm / 一尺二寸九分 |
反 り | 0.4cm / 一分三厘 |
元 幅 | 3.3cm / 一寸八厘 |
元 重 | 0.7cm / 二分三厘 |
目釘孔 | 一ツ |
附 属 | 白鞘 / 金着一重ハバキ |
価 格 | ¥400,000.- |
小脇指 : 立子山住人 将平作
造込 平造、三ツ棟、寸延び、身幅広く、浅く反りつく
地 小板目細かにつみ、肌立ちごころ、地沸厚くつく
刃 大房の丁子主体に、重花風の丁子、互の目をまじえ 刃高く、
足入り、飛び焼きかかり、小沸厚くつく
帽子 表裏共に乱れ込んで尖りごころ、刀身中程まで長くかえる
彫物 指表 護摩箸、指裏 棒樋
昭和56年(1981) 齢35の 藤安将平刀匠 は、福島市内にておいて 初の個展を催します。 その後 昭和59年 伊勢神宮第61回式年遷宮 御神宝太刀を謹作、
昭和61年には 現在の刀匠界を担う人材が集った、玄門之会(げんもんのかい) を立ち上げるなど、将平刀匠の30代後半は、作刀への情熱が一気に溢れ出し、火処(ほど)の内外で 目覚ましい活躍を見せます。
その中で 昭和58年、鋭気溢れる将平刀匠は、以後一連の皆焼再現に連なる 記念すべき本刀を 打ち下ろしました。
身幅広く 寸延び 浅い反りの付いた 南北朝延文貞治の小脇指姿。 小板目つみ 地沸が厚く付いた地鉄。 刃文は 大房の丁子を主体に 重花風の丁子や互の目をまじえ 飛び焼き入り 小沸つき、帽子は返りを長く焼き下げています。
匂い口の厚い 丁子刃や重化風の丁子刃など、刃文の華やかさは 皆焼の本位ですが、本作は地鉄の強さも 目を引きます。小板目つみ 地沸がたっぷりとのった 強い地鉄。 この強い地鉄があるからこそ、華やかな刃文が生きるのです。
指表3cm程の地割れがありますが、内に秘めた力が 勢い余って表に吹き出たのでしょう。(写真9枚目 赤枠内)
この一振りから始まった 将平刀匠の皆焼への挑戦、現代刀史に刻まれる優刀です。
干将庵 / 2012年2月14日
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